雑記:037 なるなるヘアセット


 どうにか年内に「なる」を更新したわけで、
そのヘアセットに関してちょっと書いておこうかと。

 …なんで時間がかかったのかは、むしろヘアセットより植毛。
正直めんどくせぇんだよ、3~4個もやってると慣れはする反面、飽きてきた。
これ以上作る気もないし、よほどのことがなければ植毛はもうしたくない。
こんな俺は単純作業の労働に向いてませんか、そうですか。

 で、肝心のヘアセットである。
「なる」の髪型は漫画アニメ特有の、触角アホ毛の2段分けという意味不明仕様。
現実にこういう髪型をコスプレでもやっている人がいるのかは知らないが、面倒なのは確か。
衣装といい髪形といい、現実離れしすぎなのがこの業界の運命。

 とは言っても、俺は最初からさほど再現に困難を予想はしなかった。
それもそのはず、こういったヘアセットの技術を確立している人形者は世の中にいる。
つーことで、その第一人者である「続・NAZO工房」のやり方をやればいいとタカをくくっていた。

 が、そうも話は簡単にいかないのが現実である。
先ず第一に「なる」の髪型は2段階の分け目になっているので、非常に作業がややっこしい。
それぞれのやり方は確立されているが、それを同時にするのは手先の不器用な俺には困難であった。
また、NAZOさんのやり方と言うのはかなり強引であると言え、
最終的には糊付けを前提にしている。

 普通の飾るだけな人形者ならそれで良いだろう、しかし俺は頻繁に着替えさし、
定期的にシャンプーもする。

 お風呂程度のお湯には耐えてもらう必要があり、
NAZO流ではそのセット状態を維持できるとは思えなかった。

仮に維持できたとして、セットが一度でも崩れた場合は悲惨な事態が容易に想像できる。
崩壊して元に戻せなくなったヘアスタイル、そんなものテールヘアを持っていれば経験済みだ。

 そうなると、NAZO流によってヘアセットは出来ないわけで、代案が必要となる。
ヘアスタイルなど、ドールにしか気をつけたことのない俺にとっては正直さっぱりだな。
が、ドライヤーで自分の前髪を上げているときにふと思った、
要するにかき上げればどうにかなるんじゃねーのかと。

 

 実際にドライヤーで上げることはサランヘアの特性上出来ないので、同じような状況を作ってみた。
写真のように、ドール用カチューシャでかき上げた前髪を押さえてやって、お湯パーマをしてやる。
単にカチューシャを当てるだけではズレ落ちるので、マチ針などで固定してやるといい。
上の段は、分け目に余分に植毛を追加してやって、同様に固定してやる、と。

 やってみると、写真を見れば明らかだがちょっと実際にあるべき上がり方になっていなかったり、
上段の上げ方は全然足りないので中途半端にはなってしまう。
とはいえ、逆に派手なイラスト調よりも現実的で自然な仕上がりとも言えるかもしれない。
写真ではさっぱりな感じに写っているが、現物を間近で見る分にはそれほど違和感もない。
ということで、「なる」のヘアセットはこういう感じでやったということで。

 ちなみに、アホ毛は逆にお湯を掛けないことで再現してみた。
普通に植毛すると、みょーんとした感じになるんで、それを適度な長さで切る。
これだけだと重みがなくなって上に立つだけだから、今度は折り曲げたいところでアイロンを当てる。
ただし、アイロンはマジで一瞬だけ、なおかつ水でぬらした状態で。
下手にやると曲がるどころか溶けてアイロンにくっ付くんで、そのへんは練習してからの方がいい。
ま、今どきこんなアホ毛はないから必要ないかもしれんね、最近のアホ毛は短いからw
(2011/12/24)
     
1/6ドール 「偽装の多いカフェ」

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